BL未満を探せ!

ブロマンス、ニア、匂い系を求めてさまよってます。

バッテリー

あさのあつこ先生の書く児童書。シリーズで何冊か出てます。刊行中はネットで、こいつはヤベェBLが児童書の皮かぶって図書館の児童文学コーナーに並んでると騒がれたものですが、今思えばこれはBLではなくブロマンスだったのだと分かる。当時はブロマンスという言葉もジャンルもなかったので私はBL扱いしてましたけど。

成人したイケメン同士、大人のブロマンスが好きなタイプのあなたにはあんまりお勧めしない。中学生野球バッテリーのCP。主人公が投手で、相方が捕手。野球のバッテリーは、捕手が投手の女房役なんて言いますし、例に漏れず相方は主人公の世話をせっせと焼いてます。面倒見の良いお母さんタイプ。ただし体格的には捕手が旦那って感じ。

『思春期の少年たちの感情の揺れ動きを〜』と高尚な感じの解説はよく見るので、邪な目線で解説すると、相方が主人公にデレ倒す馴れ初め編→主人公が敵を作りそれを守る捕手のロマンス編→感情のすれ違いから起きる心臓雑巾絞り編→なんかそれっぽくまとまる編の構成になります。大人になった今は、私は少し(ニアBL的な意味で)物足りない気持ちになります。

魔道祖師

噂の中華BL小説。

海を渡ってくるだけはある!と言った感じ。

海外映画が面白くて邦画が面白くないの原理です。海の向こうには玉石混合、駄作も山とあるけど、その中で海を渡ってくるのはふるいにかけられた一握りの名作なので、結果的に日本に入ってくる海外作品は当たりが多くなるというありがたいシステム。言うたら魔道祖師は海を渡れた一握り、中華BLの代表格な訳で、面白くないはずがない。

美形、美男子、美丈夫とかそういうキラキラしい感じの登場人物が満載で、特に攻めの美貌が止まるところを知らない。(小説なのに!眩くて目が開けてられない!)

なんかルールがあるらしく攻受は固定です。最初二巻はプラトニック、最終巻とおまけの冊子がどえらいセッです。

メディアミックス?がややこしくて、原作は小説。それを元に同性愛表現を優しくしたのがアニメ。題名と内容を大幅に変えてるのがドラマ。ドラマはあくまでブロマンスという扱い。

私は基本BLよりニア、ブロマンス、未満の関係が好きだけど、この作品に限っては原作のBL小説を推したい。

世界観を作り込んで作り込んで、その上でそれら舞台装置を最大限活かして、BLの萌えをこれでもかと放り込んでくる。高次元BL。

高い筆力で用意周到に伏線を張って、結果得られるのがカタルシスとか感動じゃなくて、萌え(尊死)って凄くないですか。

こちらの作者は失踪中らしいんですけど、早く新作発表してほしいです。

三角窓の外側は夜

ほぼBL漫画。おそらく受け攻めは固定。流され系おかん気質主人公と主人公に執着しまくり社会不適合者のコンビが霊的事件を解決するホラー。

除霊時に主人公の魂に相方が手を突っ込むのですが、それがどう考えてもナニを挿入してる描写としか思えない。普段から商業BLを読んでる層には割と馴染み深い性描写の表現(擬音、画の構図や体位)が一話から見られます。一巻時点で確か(疑似)フ◯ラと(疑似)騎◯位をやってるはず。あと除霊時は依頼人が立ち会うのが前提なので基本観客付き、屋外だとほとんど青◯です。なかなかサービスシーンが出てこなくて作品を切っちゃうような短気なあなたには特にオススメな作品です。

私は特に意味のないイチャイチャにすぐに食いつくタイプなので大喜びで最終巻まで購入を決定しました。

かといって単なる腐女子ホイホイと言うわけでもなく、初期からの伏線もあって読み応えがあるのも作品の魅力と思います。私がいいなって思った点は、ニアBLを露骨に狙ったバディものは、割と絆の深まり方が唐突に感じることがあるけど、この作品はお互いの依存や執着に『理由』がちゃんと用意されている点かなと思います。ただ、彼らも出会いからすでに運命だとか魅力的だとかパワーワードで相方を表現しまくるし、その理由は物語が進むにつれて徐々に彼らの背景が説明されてやっと明らかになるので、それまでは読者の気持ちとしては『出会って間もない相手になんでそこまで?』という気持ちにはならなくもないがしかし、疑問のまま放置されなかったのはすごく嬉しかったです。悪い表現だけど安いブロマンス摂取し過ぎのせいか、放置され慣れすぎて伏線回収されるだけで嬉しくなる。

あと地味に(あくまで除霊時に魂への挿入を)受け入れる側の主人公が鍛えて良い体なのとか、二人とも身長高くてイケメンなのも良かったなあ。

このマンガは伏線確認のために二周したし、もっとヤンデレ攻めを摂取したいあまりに検索かけて類似品探すくらいにはヒットでした。(なかった)